2021年9月28日火曜日

海わたる風~咸臨丸 長崎編 第3レグ(長崎⇒徳島)2021年07月31日~08月11日

 ◎2021年07月31日(土)

・第3レグは、奄美大島諸島加計呂麻島西安室港を訪問し、帰路に吐噶喇列島を巡り、四国沖を経て徳島港へ戻る計画でしたが、『Windy』の情報と吐噶喇列島では島外者の入島が難しい情勢であるため、計画を変更して、第2レグで天草牛深港を経て八代海を巡る計画をプロペラシャフトのトラブルで断念した経緯を踏まえて、このレグで八代海を航行しようと、宇土半島の三角港に向けて、06時に長崎出島マリーナを離桟した。長崎で乗艇者の入れ替えがあったので、再度、軍艦島を周遊する。雲仙普賢岳は雲に隠れている。三角の瀬戸を通過し、15時三角東港海の駅に着桟。タクシーで『金桁温泉』へ、『浜小浦』(夕食)へ。

(写真上は三角の瀬戸の入口、写真下は三角海の駅にて)





◎2021年08月01日(日)

・06時、三角東港出港。前日に聞いていた八代海に抜ける航路上の注意を念頭に八代海に出る。天候は曇り。天草の島々を右舷に見て、遠く八代港を左舷に見て航行。八代港には53年前に練習船銀河丸で入港したことを思い出す。12時、天草牛深港海の駅に着桟。レンタカーで教会を巡り、『やすらぎの湯』へ。夕食は『わらやき徳』で。

(写真上は天草の島々、写真下は牛深港にて)

◎2021年08月02日(月)

・06時、牛深港を出港。上甑島を右舷に見て南下。14時、野間池港に到着。港口はわかりにくい。西寄りの風に依る波浪が港内に侵入しないように計画されていたのか。僚艇『RIKI』からの情報で元海洋施設の桟橋に係留。午後は、薩摩野間岬灯台に藪漕ぎして行く。風呂は無し。夕食は船内食。

(写真上は野間池港、左端が港口、写真下は野間池港にて)

◎2021年08月03日(火)

・06時、野間池港を出港。坊ノ岬を回ると、正面に開聞岳を見る。〇〇富士と名がつく山々の中で一番均整がとれ美しく思う。避難港を想定して枕崎港を視察。長崎鼻を回る。山川港を視察し、14時、指宿港に入港。紹介されていた防波堤に係留。防波堤近くの『東郷の湯』に入浴。コインランドリーで洗濯をして、夕食は『瑠風(るりかぜ)』で。

(写真上は開聞岳、写真下は指宿港にて)


◎2021年08月04日(水)

・次港を種子島西表港に予定していたが、『Windy』によると荒天が予想されるため、早めに瀬戸内海に逃げ込もうと、夜航海をして大分県国東半島の武蔵マリーナに向かうことに予定を変更。06時、指宿港を出港。佐多岬に近づくと、佐多岬の沖合の一角だけ白波が立っている。思っていたよりも波が高い。大揺れ。不用意にも固縛していなかったチャートテーブル上のパソコン含め、艇内のあらゆるものが棚から落ちた。わずか数分の出来事。潮岬沖でも三角波を経験しているがこんなの初めて。甘かった。都井岬を明るいうちに通過し、次の岬である鶴御崎まで、長い長い日南海岸を北上する。

(写真上は佐多岬、左奥に開聞岳、写真下は都井岬)

◎2021年08月05日(木)

・朝方、前方に8秒に1閃光の灯りを確認する。鶴見埼灯台です。遠くから見ると航行している船と見間違う水ノ子島を右舷に見て速吸瀬戸に向かう。関崎と高島の間にある二つの灯標の間を通過し、瀬戸内海に入る。一安心。11時、マリンピア武蔵に係留。夕食は和食工房「東(さき)」にて。

(写真上は豊後水道の夜明け、写真下はマリンピア武蔵にて)

◎2021年08月06日(金)

・マリンピア武蔵で熱帯低気圧をやり過ごすつもりでいたところ、『Windy』によると8日までは平穏であるがその後は大荒れの予想。小豆島琴塚の岡崎造船での避難係留の手配がつき、深く感謝です。

・02時30分、大三島宮浦港海の駅に向け出港。夜間の周防灘の本船航路横断は緊張する。伊予灘を航行し、クダコ水道を抜けて安芸灘に入り、大下島水道を抜けて、16時に大三島宮浦港海の駅に着桟。風呂は『マーレグラッシア大三島』、夕食は、お好み焼き『大鳥居』(開店していたのはこの店だけ)で。この日の航海は、忽那(くつな)諸島の島々、芸予諸島の島々、とびしま海道の島々を眺めながらの航海。

(写真上は宮浦港海の駅にて、写真下は大山祇神社)

◎2021年08月07日(土)

・05時、宮浦港を出港。竹原水道を東航し、因島大橋を通過し備後灘に入る。白石島と北木島の間を抜けて下津井瀬戸を通り宇高東航路に沿って北上し、13時に直島宮ノ浦港海の駅に係留。風呂は『直島銭湯💔湯』、夕食は『ニューおりんぴあ』にて。この日の航海は、しまなみ海道の島や橋、塩飽諸島の島々を眺めながらの航海。

(写真上は下津井瀬戸に架る備讃瀬戸大橋、写真下は宮之浦港海の駅にて)


◎2021年08月08日(日)

・06時、宮ノ浦港を出港。直島の西海岸を北上し、団子の瀬の北を東航し、千振島の北を通過し、09時に小豆島琴塚港に到着。土庄の『おりーぶ温泉』で、昼食と入浴。夕食はクラブハウスにて。この日の航海は、直島諸島の島々、豊島、小豊島を眺めながらの航海。

(写真は琴塚港にて、静穏な海面)

・小豆島の北側海面は台風避難のために多数の船舶が停泊している。

・台風9号は、8日20時過ぎ鹿児島県枕崎市に上陸、豊後水道を進み、9日5時広島県呉市に再上陸、9日9時に温帯低気圧になったが。

◎2021年08月09日(月)

・明日の朝まで琴塚港で避泊。09時から強い西風が吹き始め、穏やかだった海面が瞬く間に波しぶきが舞う状況に。錨泊船も見えなくなる。打ち寄せる波が防波堤を超える時も。夕方になっても収まらない。

(写真は琴塚港にて、大時化)

◎2021年08月10日(火)

・07時、琴塚港を出港。一夜明けたら海面は穏やかに変化。明石海峡を通過し、15時、淡路島津名港に入港。咸臨丸航海の途上に津名港に入港することが広報されていたので満船飾で入港。出迎えの方々と記念撮影。風呂は『津名ハイツ』、夕食は『いづも庵』にて。

(写真上は明石海峡大橋、写真下は津名港の夕焼け)

◎2021年08月11日(水)

・10時、津名港出港。洲本沖に停泊中の日本丸を見つけ近づいてUW旗を振る。それに気付がついた当直士官がUW1旗をマストに掲揚。感激。日本丸を3周して、友ヶ島水道に向かう。15時、徳島港ケンチョピアに帰港。12日間640マイルにわたる第3レグを終了。今航海は、トラブルはなかったものの熱帯低気圧から逃げ続けての航海でした。

(写真上は洲本港沖の日本丸、写真下は徳島ケンチョピアにて)

 

*海わたる風~咸臨丸(長崎編)の記録:全航程33日、内、航海日数27日。航海距離1250マイル。寄港地の数20港。

*次航は、11月23日に酒樽を積んで神戸港を出港し28日に東京港に入港、陸揚げする航海を予定しています。

2021年9月27日月曜日

海わたる風~咸臨丸 長崎編 第2レグ(長崎⇒長崎)2021年07月18日~25日

◎2021年07月18日(日)

・13時、長崎出島を出港。夜航海。平戸島西方海域に平戸島に沿って百隻を超えるイカ釣り漁船。イカ釣り船を避けてその西側を北に向かう。緊張するが、漁火は美しい。

(写真は平戸島沖の漁火)



◎2021年07月19日(月)

・08時、対馬に接近。厳原入港計画を変更し、万関海峡を通峡し浅茅湾に入る。浅茅湾は鏡の海面。13時、厳原港どんつきの物揚場に一時係留。税関船の隣の係留予定の物揚場からイカ釣り船が出港した後に移動し係留。

(写真上は万関海峡、写真下は厳原港にて)


◎2021年07月20日(火)

・今日は一日、対馬南部地域をレンタカーで観光。午前中は金田の城(き)に登る。歴史ある遺構。白村江の戦で敗れた後に築かれた。瀬戸内、九州に28の城が確認されていると聞く。又、狼煙台も築かれた。海わたる風咸臨丸航海の次は城や狼煙台の跡を訪ねたい。『匠』で昼食後、豆酸埼(つつさき)灯台へ。

(写真上は金田の城から見た浅茅湾、写真下は豆酸岬。)



◎2021年07月21日(水)

・05時厳原港を出港。五島列島の最北の島宇久島平港に向かう。入港直前にエンジンは駆動しているのに前進も後進もできなくなる。エンジンルームを開けて確認すると、プロペャフトがエンジンの動力を伝えるカップリングから抜けている。フィッシャリーナを管理する漁協に連絡し曳航をお願いする。とりあえず漁協桟橋に曳航、係留した。プロペラを確認すると、プロペラが見えないほど漁網が絡みついている。シャフトが抜けた原因がわかった。漁網がプロペラに絡みついてプロペラシャフトが固定され、カップリングの回転により、シャフトを留めている貫通ボルトが千切れるとともにカップリングが擦れて、シャフトが抜けてしまったのである。まず、絡みついている網と縄を包丁で切り外す。漁網は一抱えもあった。カップリンングの締め付けボルトを緩め、プロペラを押しこうもうとしたがびくともしない。宇久島では上架設備がないので何とかシャフトを入れなければならない。翌朝にフィッシャリーナまで移動してハンマーでたたいてみることにする。本日は漁協桟橋に停泊。夕食は居酒屋『おおきに』にて。トイレは少し離れているが宇久町観光協会案内所を使用。

◎2021年07月22日(木)

・08時、作業に向かう潜水士船が様子を見に寄ってくれた。フィッシャリーナへの曳航とシャフトの挿入をお願いする。ハンマーでたたいてシャフトをカップリングに挿入できたが、貫通ボルトの穴を合わせることができなかった。とりあえず、カップリングのボルトを締めて固定。中速で港内を試運転。前後進できる。航海計画通り本日は自転車で宇久島西部区域を観光。『あられ茶房』で昼食。アコウの巨木、宇久島神社、平家盛公上陸地、乙女の鼻園地を回り平港に戻る。電動自転車は優れもの。フィッシャリーナの浮桟橋で水道シャワー。夕食は『なかよし』にて。

(写真上はフィッシャリーナにて、写真下は平家盛上陸地にて)



◎2021年07月23日(金)

・06時出港。トラブルがなければ中通島奈留尾港へ向かう予定が、港を出て10分もしないうちにシャフトが抜けた。やはり、貫通ボルトが必要であった。北東の風があり帆走で艇速が5ノットあったので、長崎港に向かう。ところが、平戸島を過ぎたあたりから風がなくなり、僚艇『RIKI』を通じて、サンセットマリーナに曳航を要請。江島付近から曳航開始。17時サンセットマリーナ入港。直ちに上架。夕食は『RIKI』の招待。『RIKI』のサポートに感謝です。

(写真は上架中のサザンクロス)

◎2021年07月24日(土)

・10時シャフト挿入。貫通ボルトを装着。これで安心。直ちに下架。試運転良好。燃料を補給する。

(写真はサンセットマリーナにて)

◎2021年07月25日(日)

・天草牛深港、宇土半島三角港に寄港して八代海、有明海をクルーズする計画を断念し、13時、出島マリーナに向けて出港。通称軍艦島と呼ばれている端島を一周。端島は、南からのうねりでまるで波を切って航行している軍艦。16時30分出島マリーナに係留。8日間250マイルの第2レグを終了。今航は天候には恵まれたものの思いもよらぬトラブル発生の航海でした。

(写真上は端島、写真下は出島海の駅に係留中のサザンクロスから見た風景) 


2021年9月21日火曜日

海わたる風~咸臨丸 長崎編 第1レグ(徳島⇒長崎)2021年07月10日~16日

・幕末の洋式帆船咸臨丸の寄港地を巡る航海を3年計画で始めました。初年度の今年は長崎港周辺の港を、来年度はサンフランシスコ港、ホノルル港を、来来年度は小笠原、関東、東北、北海道の港を寄港する計画です。

◎2021年07月10日(土)

・05時、徳島港ケンチョピア(5月に船籍港を大阪,

から徳島に変更)を出港。約一か月にわたる航海の始まり。港を出るとあたりは深い霧、視程200m。吉野川の水温と気温の違いが霧を生じさせるのか?GPSとレーダーの映像を確認しながら北に進む。2018年の北海道オホーツク海での航海を思い出す。ようやく見えてくるはずの撫養港口灯標を視認できた。その途端、今までの濃霧が嘘のように、小鳴門水道には霧がなく、すっきりと中瀬灯標や撫養橋を目視できた。安堵。無事に小鳴門を通峡。穏やかな播磨灘。通峡後、北西進し、地蔵埼灯台に向かう。豊島(てしま)、柏島、大槌島の南側を通過。岩黒島橋を通過し、15時、香川県丸亀市塩飽本島笠島漁港浮桟橋に係留した。島民の方々の歓迎を受ける。係留後、『咸臨丸~海わたる風』事業の開始を祝うセレモニーが行われた。夕食は『吾亦紅』。

(写真上は小鳴門大橋、写真下は笠島漁港浮桟橋にて)



◎2021年07月11日()・07時、笠島漁港を出港。出港時にはドローンによる空撮。広島、佐柳島、六島、高井神島の南側を通過し、13時に愛媛県今治港海の駅に係留。『喜助の湯』に入浴。夕食は海の駅近くの『割烹瀬戸』にて。

◎2021年07月12日(月)

・06時、今治港を出港。来島海峡小島波止浜間を通峡。舵取の鼻を回り、斎島、安居島、怒和島、片島、沖家宝島、下荷内島の南側を通過し、13時30分、山口県上関室津港海の駅に係留。『鳩子の湯』に入浴。コロナ禍のために昼食のみの営業で、仕方なく鳩子の湯でさつま揚げを購入し、夕食は『サザンクロス亭』にて。

(写真上は来島海峡大橋、写真下は室津港海の駅にて)

◎2021年07月13日(火)

・05時30分、室津港を出港。佐合島、牛島の南側を通過し、周防灘をひた走る。島影ははるか遠く、船影は近い。宇部港沖で本船航路を横切り、12時30分、福岡県新門司マリーナに係留。

(写真は新門司マリーナにて)

◎2021年07月14日(水)

・07時、関門海峡の潮流を考慮し新門司マリーナを出港。11時関門海峡の九州寄りを通峡。玄界灘は穏やか。夏の海は台風時を除けば穏やか。風はない。地ノ島の北側を筑前大島(宗像三女神の次女多岐津姫が祭られている)の南側を通過し、15時30分、福岡県小戸ヨットハーバーに係留。『ヒナタの杜小戸の湯どころ』に入浴。夕食は博多の街に出て。

(写真上は関門海峡大橋、写真下は小戸ヨットハーバーにて)

◎2021年07月15日(木)

・06時、博多港を出港。馬渡島の南側を通過し、平戸瀬戸へ。12時30分に長崎県平戸港海の駅に係留。『平戸海上ホテル温泉』に浸かり、海の駅から徒歩1分の『パンチョ』で夕食。

(写真上は平戸海の駅にて、写真下は『パンチョ』で頂いたビアグラスの中にテキーラを入れたシングルグラスを置いてビールを注いだテキーラのビール割)


◎2021年07月16日(金)

・05時、平戸港を出港。平戸大橋を通過し、黒島、池島、母子島の西側を通過し、13時に長崎出島海の駅に係留。『日栄湯』に入浴。夕食は、係留中のサザンクロスを見ながら『長崎出島ワーフ』のレストランにて。7日間350マイルの第1レグは平穏に終わりました。(写真は出島海の駅にて)